| 法人設立Q&A |
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1.事業は個人事業ですべきか、法人を設立すべきか? |
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事業を開始する上で、個人事業とすべきか、あるいは会社を設立すべきか(会社の組織形態の選択については、別記載)については様々な判断基準があると考えられます。事業の内容によっては、社会的な信用面で会社設立が不可避な場合もあるでしょう。それについては、個々の事情に応じて対応することとして、ここでは、その基準を税務・会計面からだけで判断する場合について解説します。
まず、事業開始の段階でその見込まれる事業規模の大小を考慮する必要があります。概ね年間所得が1,000万円未満の場合には、税率・事務処理コスト等を勘案して、個人事業で開始すべきではないかと考えられます。但し、下記比較表のように、それぞれメリット・デメリットもありますので、起業される方ご自身の個々のケースに応じて判断することが肝要かと考えます。
【主な相違点】
| 項目 |
個人 |
法人 |
| 交際費 |
限度なし |
資本金により算入制限あり(但し、費用の10%分は課税) |
| 代表者への給与 |
支給不可 |
損金算入可(但し、過大役員報酬等に該当しない場合に限る)
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| 家族への給与 |
届出が必要 |
届出は不要(但し、過大役員報酬等に該当しない場合に限る) |
| 借入金利子 |
生計を一にする親族に対するものは必要経費への算入不可 相当額を損金算入可 |
相当額を損金算入可 |
| 賃借料 |
生計を一にする親族に対するものは必要経費への算入不可 |
相当額を損金算入可 |
| 旅費交通費 |
実費のみを必要経費 |
旅費規程の作成により損金算入可 |
| 生命保険料 |
- |
法人契約により損金算入可 |
| 欠損金の繰越期間 |
純損失を3年間繰越可(但し、青色申告の場合) |
繰越欠損金を5年間繰越可(但し、青色申告の場合) |
| 事業年度 |
1月1日〜12月31日(暦年) |
定款にて規定 |
| 税 率 |
累進税率(所得に応じて変動)
| 所得金額 |
税率 |
| 超 |
以下 |
| |
330万 |
10% |
| 330万 |
900万 |
20% |
| 900万 |
1800万 |
30% |
| 1800万 |
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37% |
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原則的に定率
(下記は事業税・住民税込の実効税率)
| 所得金額 |
実効税率 |
| 超 |
以下 |
| |
400万 |
30.81% |
| 400万 |
800万 |
33.11% |
| 800万 |
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44.79% |
(概算値ベース) |
| 地方税の申告 |
申告不要(賦課決定されます) |
申告が必要 |
| 事業の継続性 |
事業主が廃業(死亡)した場合には事業が一度終結(廃業)します(承継者が別途開業を申請) |
法人格が与えられるので、人格と別人各として事業承継がスムーズに移行 |
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2.法人にはどんな種類のものがありますか? |
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法人の種類としては、次のように分類されます。
通常、皆さんが設立される法人としては、営利法人である「有限会社」や「株式会社」が一般的ではないかと思いますが、最近では、NPO法人も数多く設立されてきております。NPO法人は民法34条に規定する非営利法人のひとつでありますが、公益法人が主務官庁の認可が必要なのに対して、NPO法人の場合には、認証ということで、書類上の要件に不備がなければ設立ができるという点で、そのハードルが低くなっています。
法人の種類
| 法 人 |
具体的な法人 |
| 公益法人 |
社団法人、財団法人、学校法人、宗教法人、社会福祉法人、NPO法人など |
| 中間法人 |
労働組合、協同組合など |
| 営利法人 |
株式会社、有限会社、合名会社、合資会社 |
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3.会社を設立する場合の組織形態にはどんな種類がありますか? |
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会社の組織形態には、株式会社、有限会社、合名会社、合資会社の4種類があります。
それぞれの違いとしては、社員(法律上では出資者のことをいいます)の責任範囲やその会社の公開性によって分類できます。
無限責任とは、会社の債務に対して全面的に責任をとる必要があり、有限責任とは、出資した金額の範囲内で責任を負えば済みます。また、公開性とは、原則として、広く一般の人から出資者を募り、資金調達ができる会社かどうかの違いとなります。
| 組織形態 |
責任範囲(社員構成) |
公開性 |
特徴 |
| 株式会社 |
有限責任社員のみ |
公開性又は閉鎖性 |
出資者の責任は有限であり、広く一般から出資を募ることも可能であり、資金調達面では他の会社組織よりも有利な点がある |
| 有限会社 |
有限責任社員のみ |
閉鎖性 |
出資者の責任は有限である点は株式会社と同じであるが、外部資本の募集が認められていないこと、資本持分の譲渡制限など一定の制約がある |
| 合資会社 |
無限責任社員
有限責任社員 |
閉鎖性 |
事業経営は無限責任社員が担い、有限責任社員は、出資に対する利益を期待するのみのサポーター的な役割の会社が一般的。 |
| 合名会社 |
無限責任社員のみ |
閉鎖性 |
原則として社員全員が会社の代表者となり、いわば個人事業者の集まりのような組織。会社債務については連帯無限責任を負います。 |
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4.株式会社と有限会社の違いについてもう少し詳しく教えてください? |
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株式会社と有限会社の違いについては様々ありますが、ここでは、その違いを設立手続・会社運営・税務の3つの視点から比較してみます。
まず、設立手続・会社運営に関しては、概ね株式会社よりも有限会社の方が、出資金や事務手続きなどの点で簡素化されており、比較的、中小企業に適していると考えられています。また、税務面では資本金により下記のような違いがあります。
【主要な相違点】
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株式会社 |
有限会社 |
設
立
手
続 |
出資者の数 |
1人以上 |
1人以上50人以内 |
| 資本金 |
1,000万円以上 |
300万円以上 |
| 取締役 |
3人以上 |
1人以上 |
| 監査役 |
1人以上
(大会社は別規定あり) |
義務規定はない |
| 代表取締役 |
1人以上 |
義務規定はない |
| 取締役会 |
開催が必要 |
義務規定はない |
| 概算設立費用 |
最低でも40万円程度必要 |
最低でも30万円程度必要 |
会
社
運
営 |
出資持分の譲渡 |
原則的には自由但し、定款で譲渡制限は可能 |
社員間は自由但し、他人への譲渡は社員総会の承認が必要 |
| 総会決議 |
開催が必要 |
書面のみでも可 |
| 役員任期 |
取締役:2年ごとに改選
監査役:4年ごとに改選なお、別途定款で任期を短くすることも可能 |
無期限 |
| 公告の義務 |
決算ごと |
義務規定なし |
税
務 |
消費税 |
設立初年度より課税対象 |
資本金が1000万円未満であれば設立当初2年間は免税事業者 |
| 法人住民税 |
資本金・従業員数により、法人住民税の均等割額が変動します但し、株式会社でも資本金1000万円で従業員が50人以下なら、有限会社と同じです。
| 区分 |
市町村民税 |
都道府県民税 |
| 資本金等 |
従業員数 |
標準税率 |
| 50億円超 |
50人超 |
3000千円 |
800千円 |
| 50人以下 |
410千円 |
| 10億円超50億円以下 |
50人超 |
1750千円 |
540千円 |
| 50人以下 |
410千円 |
| 1億円超10億円以下 |
50人超 |
400千円 |
130千円 |
| 50人以下 |
160千円 |
| 1000万円超1億円以下 |
50人超 |
150千円 |
50千円 |
| 50人以下 |
130千円 |
| 1000万円以下 |
50人超 |
120千円 |
20千円 |
| 50人以下 |
50千円 |
| 上記以外 |
***** |
※自治体によっては、金額が異なりますので、ご注意ください。
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5.現在は個人事業を営んでいますが、法人成りをすべきでしょうか? |
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個人事業を法人成りするべきかどうかについては、その営業面や対外的な理由による場合もあるので一概にはいえません。ただし、税務上で判断をするのであれば、家族形態の事業である場合には、親族に対する給与・利子・賃借料などの損金算入が税法上認められる法人事業の方が有利であると考えられます。しかしながら、年間所得がおおむね1000万円未満の場合には、税率や事務処理面の煩雑さを考慮して、個人事業のまま事業を継続すべきと考えられます。
なお、個人事業と法人事業との相違点については、Q1をご参照ください。
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6.決算月はいつにすべきか? |
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一般に年次決算業務は、社内的に経理部門以外においても様々な協力を要請することとなるため、繁忙期よりも閑散期を決算期とするほうが、無難であると考えられます。また、代表者等との取引が多い場合には決算月を12月にすることで、個人との取引内容や取引残高との照合が容易になります。
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7.資本金はいくらにすべきか? |
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資本金の額については、税法上の各種取り扱いに影響がある。一般的には資本金を1000万円以下とするのが税法上は最も有利である。具体的には、交際費の限度額、税率、租税特別措置法上の優遇規定等に影響がある。
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8.法人を設立した場合の届出書類と税法上の選択項目について教えてください。 |
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法人を設立した場合には、各種の届出書の提出が必要となります。これらの届出書の提出にあたっては、税法上、重要な選択項目もありますので、設立される会社の現況に応じた対応が不可欠です。また、その適用にあたっては、提出期限が定められていますので、これについても注意が必要となります。
なお、税務署に提出する主な届出書とその選択項目及び提出期限は下記の通りですので、ご参考にしてください。 【主な届出書類】
| 届出書 |
届出・選択の内容 |
提出期限 |
| 法人設立届出書 |
法人設立の場合 <添付書類> ・設立時の貸借対照表 ・定款の写し ・設立登記の登記簿謄本 ・株主名簿の写しなど |
会社設立日から2ケ月以内 |
| 個人事業の開廃業等届出書 |
個人事業としての開業の場合 |
開業日から1ケ月以内 |
| 青色申告承認申請書 |
青色申告事業者の選択 |
3ケ月を経過した日と事業年度末日のいずれか早い日の前日 |
| 消費税課税事業者選択届出書 |
課税事業者・免税事業者の選択 |
設立年度末日 (適用事業年度開始日の前日) |
| 簡易課税制度選択届出書 |
原則課税・簡易課税の選択 |
設立年度末日 (適用事業年度開始日の前日) |
| 棚卸資産の評価方法の届出書 |
先入先出法、後入先出法などの選択 |
3ヶ月を経過した日と事業年度末日のいずれか早い日の前日 |
| 減価償却資産の償却方法の届出書 |
定額法、定率法などの選択 |
設立第1期の申告期限 |
| 給与支払事務所等の開設届出書 |
給与等の源泉所得税の納付義務が発生した場合 |
事務所開設の日から1ケ月以内 |
| 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 |
納期の特例の選択 |
特例を受けようとする月の前日 |
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9.青色申告と白色申告の選択のポイントについて教えてください。 |
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法人税の申告方法には、「青色申告」と「白色申告」の2種類がある。その選択によっては、記帳の方法や各種の特典などに違いがあるが、原則的には特典の多い「青色申告」を選択すべきであると考えます。
但し、事務処理の負担が増えることから、家族経営的な小規模法人の場合には、あえて白色申告を選択される場合もあるようです。
なお、青色申告の承認を受けるためには、新たに法人を設立した場合には、3ケ月を経過した日と事業年度末日のいずれか早い日の前日までに、設立時以外の場合には、その適用を受けようとする事業年度開始の日の前日までに青色申告承認申請書を提出しなければならない。
特に注意が必要なのは、設立日から当該事業年度末までの期間が3ケ月以内の場合に、青色申告承認申請書の提出を失念すると、設立期だけでなく翌事業年度も青色申告の適用が受けられないので、注意が必要である。
| 項 目 |
白色申告 |
青色申告 |
| 記載方法 |
・簡易的な記帳方法が容認 |
・複式簿記の原則に従った記載が必要 |
| 主な特典 |
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・欠損金の翌期以降7年間の繰越控除
・各種の特別償却制度
・各種の準備金の積立
・推計による更正又は決定の禁止
・異議申立てを経ないでの審査請求
など |
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